【HW】MZK-WG300NX とMZK-W300NH3レビュー 
 以前にRegzaのDLNAやCIFSアクセスにFX-DS540-APPを使っているというエントリを書きましたが、ちょっと前に地デジに対応した関係でCIFS上のフォルダに番組を録画できないかと父から言われ実験してみたところ、やはり54Mpbsの回線では帯域が足りず途中でコマ送りになってしまいました。
 有線で繋げばいいじゃないかと思うかもしれないですが以前にも触れたれたように以下の問題から有線での使用が難しいのでWLANのブリッジを使う必要があるのです。

・自分用のサブネットと家族用のサブネットがある
・それらは有線でつながっているもののサブネットが違う
・RegzaはCIFSアクセスにNetBEUIを使用しているのでテレビからのブロードキャストが届く範囲(同じサブネット)にNASがある必要がある
・テレビがあるのは1階で鯖があるのは2階
・1階と2階を更に有線で繋ぐにはLAN配線用ダクトが飽和してしまっているので難しい
・家族サブネットに常時稼動のPC-NAS置こうとしたら反対をうけた

 これらの問題を解決するためにWLANブリッジを新しくしたいと思っていたところに丁度アキバに中古で2kで転がってたので色々買ってみました。4つあるのはブリッジで無線化したい離島があるからです。




 新しいものを手に入れると試したくなるのが人間というものなので色々試してみました。
前置きが長くなりましたが今回はMZK-WG300NX とMZK-W300NH3レビューをしてみます。こんなルーターで大丈夫かと言わざるをえない、Planexのルーターは果たして爆発せずに使えるのか。


 まず設定について。WebUIを持っているのでLANポートにケーブルを挿せばDHCPでIPが振ってくるのでIPを貰ったら192.168.111.1にアクセスしてあれこれします。
  WPSボタンを押せば対応した機器同士自動的に接続してくれるみたいなのですが、これを有効にしてると非対応の(クライアントソフトを入れていない)PC から繋ごうとすると無線LANを繋いでも「資格の確認中」から先に進まないのでWebUIからWPSを切りました。というかPlanexの設定ソフトを入れた方が(他人のサポートをしたときの経験上では)確実に問題が多くなるのでPCに変なソフトは入れたくないです。ここでWPAキーなどの設定をします。
 設定画面を見ていておもしろいと思った機能が、仮想APとVLANの組み合わせです。たとえばSSID1はLANポート1と2の通信以外は破棄して、 SSID2はLANポート3と4とWANポートへのアクセスを許可する、と言うような設定が出来ました。事前共有鍵(パスワード)もSSIDごとに割り振れるので遊べるには遊べました。まあPのルーターに複雑なことをやらせると、多くの場合においてろくな事がないので動いたのを確認したら無効化しましたが。

 そしてこのAPにはルーターモードとAPモードとコンバーターモードというモードが存在するのですが、上位にルーターがある場合は自動的にAPモード(上からのパケットを無線上に流すだけ)で動くと思っていたのですが、APモードで動かしてもNATされるというどうしようもない状況になりました。

 サブネット1 -----------MZK-WG300NX--------------無線とLANポート
( 192.168.1.0/24)   (WAN側:192.168.1.2)  (192.168.111.0/24)
           LAN側:192.168.111.1

 確かにこれでも通信は出来ますが、意図しない二重NATは問題しか起きない上にこれではブロードキャストが無線上に届かないので意味がありません。
 これをどうにか出来ないかなーと色々やった結果、WAN側のポートにはケールを繋がず、この無線LAN親機からのDHCPを切り、親機のIPを固定して、親機のLAN側ポートに既存LANからのケーブルを繋ぐと、無線で繋いだときでも既存LANからDHCPをもらえました。完全にL2スイッチとして使うイメージです。
 この説明書とはなんだったのか…。試した限りMZK-WG300NX とMZK-WG300NH3でAutoにしていても二重NATになりました。僕の解釈が間違えているのか、それがPLANEXくおりちーなのか…。




 とりあえず無線LANの設定は大丈夫そうだったのでコンバーターとして使う子機のセットアップです。コンバーターとして使うときにはスイッチを Converterにあわせて起動すると、LANポートからAPモードとは違うIPが振ってくる(AP時には192.168.111.0/24だけど Converterモードの時には192.168.1.0/24)のでIPを貰ったらmw.setup(192.168.1.249)にWebからアクセスするとセットアップを進められます。こういうときにcomポートがあればCLIから設定できるんですが民生用機器にそんなことを求めている層はいないので一々NICの設定を変えないといけないというのが面倒です。

 セットアップそのものはシンプルで、親機の設定が終わっていればSSIDを選択してパスワードを入れるだけです。WPSを使えば一発なのですが前述の理由により切っているので手動です。




 さて、つながったので恒例のiperfベンチマークです。親機と子機のMZK-WG300NXを1メートルくらいの距離において繋ぎました。
 構成はいつものTP I45からファイルサーバーにむけてIperfです。OSはいつものBacktrackです。
 ↓図にするとこんな感じです
鯖--有線--MZK-WG300NX>>>無線<<<MZK-WG300NX--有線--実験機

 まずはデフォルトでの状態でiperf -w 128K -i 1 -t 600です。10分間耐久テストです。最初はCLIのiperfで数字を取っていたのですが、jperfがLinuxでも動くことを思い出したのでグラフを利用するためにjperfにしています。中身はiperfですが。
 
一度目




二度目




 ちなみに1ドット1秒です。
 結果を見ると140Mbpsで転送したと思ったら一度速度が落ち、その後か70Mbps程度で止まってしまい、それ以降ずっとそんな感じです。二度目に関してはジッタがひどすぎてどうしてこうなった状態です。まあPLANEXにしては途切れなかっただけマシか。。。

 色々見ていると、どうも繋いでいる子機側の速度が300でリンクしたり160でリンクしたりなど動的に変わるらしく、それが原因で安定しないようです。




 試しに両方のリンク速度をMAXのMCS15に固定してみてもう一度Iperfを走らせてみました。




 すると見事にフラットなグラフになりました。







ただ、リンク速度を固定してしまうというのは常にLANチップをフル稼動させることになるのでアイドル時の発熱も増えると予測され、電波状況が悪くなったらリンク速度を下げて安定度を増すという仕組みを無効化してしまうことになるので、状況によっては事態が悪化する可能性もあるので万人にはおすすめはしません。

  WAN/LANにGigabit対応!と言ってもWLANの限界は精々150Mbps程度になるので11nの300Mbps目的でGigabitにするのはあまり意味は無さそうです。それも至近距離でのベストエフォートでのスコアなので、おそらく普通に使うと60Mbps程度になると思います。
 ついでにこんなルーターにGigabitなネットワークを任せようというのはそもそも間違えで、裏面のLANポートをGigabitなスイッチングハブとして使うのが精々だと思います。色々機能がついていますが、不安なので今回はレイヤ2以上の事は出来る限り難しいことをさせないようにしました。URL フィルタもありますが有効にしたらどうなるか…。怖い。

  同じ構成でMZK-WG300NH3を親機と子機のコンバーターにして同じようにiperfを走らせてみました。







 上二つはとてもきれいなグラフになりましたが、機嫌が悪いとこうなります。







 機嫌さえ良ければ、初期の状態で見事に90Mbpsで張り付きました。有線LANが100Baseなので限界まで出ていると思います。APの機嫌が良ければそこそこ使えるのですが、機嫌を損ねると駄目な子になります。まあ部屋にすでにciscoのAironetが動いていたりサーバーが沢山動いていたりするのでノイズや電波の反射が多いせいもあると思いますが。


 そして一番最初のWLAN上のCIFS鯖に録画が出来ないという問題に戻るわけですが、やはり11nだときっちり録画できました。録画中は10Mbps程度で通信しているようですが、たまにバースト的に50Mbpsくらいのトラフィックが来るのでやはり以前の54Mbpsが上限(実測上限10-20Mbps)の11aでは対処しきれなかったようです。

 まとめ
・MZK-WG300NX とMZK-W300NH3はAPとコンバーターとして使った限りはそこそこ使える
・ある程度この手のトラブルの切り分けが分かってる人向けで、僕なら初めての人にはおすすめしない
・無線L2スイッチとして使うなら安ければいいんじゃないか
・でもやっぱり速度が安定しないことがある

 とりあえずNH3で1時間ほどiperfを回してみましたが、一時的に転送速度が30Mbps程度まで落ちることはあるものの、APがハングすると言うレベルの問題は起きませんでした。




 あとやはり障害物には弱いようで、コンバーターとAPの間で色々作業してるとそれに反応するように転送速度が変化しました。ドアの開閉とかでも影響を受けそうです。

 そして結局は有線に勝る通信手段はないという結論が出ました。無線で100Mbps以上出るのは時代の進歩を感じますが…。

 ところで誰かリプレースで余ったFX-DS540-APP欲しい人とかいますかね?11aしか使えないですが2個をブリッジとして使うことによって"ネットワーク機能は持ってるけど有線のみ”な機器を無線化できます。もし欲しい人がいればTwitterなどで知らせてくれば。。。

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