先に結論から言うと、安くてもHPE外のマシンで使おうと考えている場合はやめるべきです。特にFW3.66以降のFWを適用してしまうと、ほぼ一般的なHWで使えなくなります。

後述の互換性により問題が起きたため、8Disk構成+WBキャッシュありのRAID5のみ記載します。

HPE SmartArray P420

スペック

オークションで1GFBWC+キャパシタ付きでも運がよければ5000円前後で買えます。P420にあったようなSmartPath、JBOD機能はありません。

ハードウェアの互換問題

冒頭で述べた互換についてですが、まずFW3.66だと一般的なマザーボードでも認識し、起動するのですが、2.5TB+のディスクを認識できません。テストに使用したドライブはMG04SCA500EというSASの5TBディスクですが、容量が正しく認識できず、0MBになります。

そのため、単体で2.5TB以上のディスクを使いたい場合、ファームウェアのアップデートが必要になります。

FW6.64では正しくディスクの認識が出来ました。(ML110G6にて検証)

しかし、FWを6.0以降にしてしまうと、今度はHPE外のマシンに挿して起動すると無限再起動地獄に堕ちます。大体RAIDカードのOP-ROMを読み込んだあとにクラッシュして再起動したので、OSすら上がらない状態です。

テストしたハードウェアと結果は以下です。

以上の結果から、新しめのボードに挿したときに問題が起きるようです。また、HPEのマシンに挿す限りは問題が起きないようです。


そのため、ML110あたりのNAS化を考えているといった場合にはありだと思いますが、一般的なカードとして使おうと考えている場合はやめた方が良いです。探すと3.66のファームウェアもあるのですが、そもそも起動できるマシンがないとファームの当てようがないので、購入時のファームによっては詰みます。おとなしくLSIの物を選びましょう。

ベンチマークについて

今回はあまり突っ込んだ検証はせず、また、SATAも3Gbpsまでの対応となるため、X300s*4+840Evo*4の8Drive構成のRAID5のみ検証しました。

検証に使った環境はいつもと同じX79で、FW3.66を当てた1G-FBWC付きのP410を使っています。キャッシュの比は25%読み・75%書きです。

8Drive-RAID5 WB


Access Specification NameRead IOpsWrite IOps
512 B; 100% Read; 0% random_QD113694.90.0
512 B; 100% Read; 0% random_QD3287944.70.0
512 B; 50% Read; 0% random_QD14017.13998.2
512 B; 50% Read; 0% random_QD3217824.617855.3
512 B; 0% Read; 0% random_QD10.09501.7
512 B; 0% Read; 0% random_QD320.044576.0
4 KiB; 100% Read; 0% random_QD113275.00.0
4 KiB; 100% Read; 0% random_QD3258164.80.0
4 KiB; 50% Read; 0% random_QD14128.84118.5
4 KiB; 50% Read; 0% random_QD328062.88071.5
4 KiB; 0% Read; 0% random_QD10.05728.2
4 KiB; 0% Read; 0% random_QD320.063323.2
256 KiB; 100% Read; 0% random_QD1923.30.0
256 KiB; 100% Read; 0% random_QD327403.60.0
256 KiB; 50% Read; 0% random_QD1449.8436.1
256 KiB; 50% Read; 0% random_QD321079.31070.1
256 KiB; 0% Read; 0% random_QD10.02401.0
256 KiB; 0% Read; 0% random_QD320.04284.3
1M-Seq-100%R_QD1724.80.0
1M-Seq-100%R_QD322008.70.0
1M-Seq-50%R_QD1217.5223.8
1M-Seq-50%R_QD32397.5403.1
1M-Seq-100%W_QD10.0550.1
1M-Seq-100%W_QD320.01074.0
1M-rand-100%R_QD1595.70.0
1M-rand-100%R_QD322039.80.0
1M-rand-50%R_QD1217.2220.2
1M-rand-50%R_QD32385.3383.4
1M-rand-100%W_QD10.0401.1
1M-rand-100%W_QD320.0393.0




Access Specification NameRead MBps (Decimal)Write MBps (Decimal)
512 B; 100% Read; 0% random_QD17.00.0
512 B; 100% Read; 0% random_QD3245.00.0
512 B; 50% Read; 0% random_QD12.12.0
512 B; 50% Read; 0% random_QD329.19.1
512 B; 0% Read; 0% random_QD10.04.9
512 B; 0% Read; 0% random_QD320.022.8
4 KiB; 100% Read; 0% random_QD154.40.0
4 KiB; 100% Read; 0% random_QD32238.20.0
4 KiB; 50% Read; 0% random_QD116.916.9
4 KiB; 50% Read; 0% random_QD3233.033.1
4 KiB; 0% Read; 0% random_QD10.023.5
4 KiB; 0% Read; 0% random_QD320.0259.4
256 KiB; 100% Read; 0% random_QD1242.00.0
256 KiB; 100% Read; 0% random_QD321940.80.0
256 KiB; 50% Read; 0% random_QD1117.9114.3
256 KiB; 50% Read; 0% random_QD32282.9280.5
256 KiB; 0% Read; 0% random_QD10.0629.4
256 KiB; 0% Read; 0% random_QD320.01123.1
1M-Seq-100%R_QD1760.10.0
1M-Seq-100%R_QD322106.20.0
1M-Seq-50%R_QD1228.1234.7
1M-Seq-50%R_QD32416.8422.7
1M-Seq-100%W_QD10.0576.9
1M-Seq-100%W_QD320.01126.2
1M-rand-100%R_QD1624.60.0
1M-rand-100%R_QD322138.90.0
1M-rand-50%R_QD1227.7230.9
1M-rand-50%R_QD32404.0402.0
1M-rand-100%W_QD10.0420.5
1M-rand-100%W_QD320.0412.1


割とよい性能です。4k以下の性能はP420と似ていますが、256k以上で帯域差がでて倍以上の差が出ています。まあもう古いカードなので今更何か言うほどの物でもないですが。


まとめ

性能は悪くないのですが、主に互換性の問題から一般的なカードとしてはおすすめしません。こいつらに第二の人生はありません。

HPEのマシンで使う場合は問題が起きる可能性が少ないですが、Gen9などのマシンでは試していないので未知です。

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