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SupermicroのIPMIに使われているiKVMがWebからだと使いにくいと感じる場合、ネイティブアプリのSMCIPMIToolを使うと多少マシになります。内容としてはJavaアプリのラッパーですが、対応したJavaがバンドルされているので別途JREなどのインストールは不要で、ZIPを解凍すれば動きます。

AST2400以前のX9などのJavaWebStartを使う必要があるIPMIのiKVMにつなぎたい場合、(2023年現在jreのバージョンによってほぼ動かないので)現状この方法一択です。

また、HTML5でISOをマウントしたい場合(X12以前の場合はsmb1.0プロトコルに対応した)smbディレクトリにISOを置く必要があり使い勝手が悪いですが、ネイティブアプリ版であればローカルISOがマウントできるので以前の使い勝手になります。

設定手順

Supermicroより SMCIPMIToolをダウンロードする

https://www.supermicro.com/en/support/resources/downloadcenter/smsdownload

こちらよりSMCIPMIToolをダウンロードします。

サインインを求められますがGuestとして続行すると登録不要でダウンロード可能です。

リンクをクリックするとSMCIPMITool_2.27.2_build.230221_bundleJRE_Windows.zipというファイルが降ってくるので解凍します。

SMCIPMITool.exeを実行する

解凍したファイルの中にSMCIPMITool.exeという実行ファイルがあるのでコマンドラインから叩きます。

必要なパラメータは IPMIのIPアドレス 、ログインユーザパスワード、 実行するコマンド となります。

192.168.1.11のIPMIにiKVMを実行する場合のコマンドは以下になります。

SMCIPMITool.exe 192.168.1.11 ADMIN ADMIN ukvm

ukvmを指定すると使われているBMCを自動判別してKVMを開始してくれます。HTML5に対応している場合は -html5 を追加するとHTML5のKVM画面がデフォルトウェブブラウザで開きます。

その他のオプションについては、同フォルダにある「SMCIPMITool_User_Guide.pdf」を見てください。

ちなみに、絶対パスからの実行も大丈夫なので、バッチファイルやahkのショートカットに仕込んでおくこともできます。(cdしてから実行しなくてもいい)

C:\SMC\SMCIPMITool\SMCIPMITool.exe 192.168.1.11 ADMIN ADMIN ukvm

stunnnelを張るためなのか、実行には管理者権限が必要になることだけ注意です。

X9シリーズのiKVMで色が変になる問題

X9のような古いIPMIを管理しようとすると赤色のチャンネルがないような画像出力になります。

これを解決したい場合、IPMIからjarファイルをダウンロードし、その中のiKVM64.dllとすべてのDLLを差し替える必要があります。

https://www.supermicro.com/support/faqs/faq.cfm?faq=32333

ただし、X9以外のIPMIを扱いたい場合、再びDLLを戻す必要があるので手間です。どうせコマンドラインしか使わないと思うのであまり影響がない気もしますが、気になるようであればX9用のDLLを差し替えたフォルダとそれ以外向けのオリジナルのフォルダの二種類を持っていてもいいかもしれません。

いずれにしても、SMCIPMITool単体で独立してるのでJavaのセキュリティー問題やブラウザの相性によってキー入力が抜ける問題やISOマウント問題で悩む必要がなくなるのでおすすめです。(問題多すぎでは)


ちなみに、AST2400/2300を使っている他のベンダー(AsrockRackとか)のIPMIも管理できないかといろいろ試してみたところ、一応部分的には動くのですが他のベンダーだとデフォルトの待受ポートが違うためかKVMリダイレクトはだめでした。

参考までに、AsrockRackのE3C226D2I(BMCはAST2300)でSOLが有効になっているNASマシンに接続してみましたが、これはipmitool代わりに動きました。ボーレートをいくつにしても文字応答がとても遅いので苦痛でしたが。

SMCIPMITool.exe 192.168.1.11 ADMIN ADMIN shell

SMC IPMI Tool V2.27.2(Build 230221) - Super Micro Computer, Inc.
Press Ctrl+D or "exit" to exit
Press "?" or "help" for help
Press TAB for command completion
Press UP and DOWN key for command history
Start Trap Receiver failed
192.168.1.11 (S0/G0,600w) 02:44 IPMI> sol activate #SOLに入る。F12で終了する
192.168.1.11 (S0/G0,600w) 02:44 IPMI> sol window #JavaのSOL窓を開く



ソースコードが公開されているのでちょっといじってビルドすればkvmリダイレクトも使えるのかもしれませんが、試した限りではSupermicro専用でした。


ちなみにIPMIViewというSupermicroの出している管理ツールも動かしてみましたが、入っているJavaのバージョンなのかその他OSの問題なのか動きませんでした。

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