ターゲットはST3500320AS、Barracudaの7200.11です。DateCodeは09134で、ファームはSD15です。
ターゲットは元Windowsで使われていたHDD
手元に来たHDDはWindowsのNTFSでフォーマットされたHDDだったので、まず通常通りSATAに繋いでWindows7から読み出そうとしてみるも、BIOSからは認識できる物のOSから認識できませんでした。起動のロゴ画面が通常よりもかなり長かったので、おそらく何度か読み出そうとするものの IOエラーが多発してタイムアウトしている、といった感じでした。マザーのSATAポートを使用せずにUSB/SATAケーブルも使ってみたのですが、こちらでも認識するもののマイコンピュータを開こうとするとフリーズしたあげくタイムアウトして、マイコンピューターのHDD一覧には出てきませんでした。
Windowsが駄目ならとLinuxからmount -t ntfsとしてマウントしてみると、今度は一応マウントできました。マウント出来るならと別のHDDにrsync -avして読める限りのデータをコピーしようとしたのですが、はやりしばらく読んだところでIOエラーでコンソールが埋まるようになってしまいました。
これでも一応100Gちょいのデータは読めたのですが、まだいくつか必要な物があるらしくどうしても壊れたセクターのデータを読む必要がありました。それならば個人で出来る最後の手段として、HDDの基盤交換を試しにやってみることにしました。(最近のHDDは基盤の回路がかなり高度な物になっているので、おそらく試しても駄目だと言う前提でですが。)
数週間差のHDDと基盤交換をしてみる
ターゲットのHDDと同じような時期のHDDをアキバで探してみたのですが、ジャンク、中古を漁っても結局見つかりませんでした。しかし手元にあるストックHDDを見てみると、これと数週間差の物があったのでこれをドナーとして試してみることにしました。
基盤そのものは星形六角形のドライバー(いわゆるトルクスドライバー)さえあれば簡単に外すことが出来ます。外すとこうなってます。
09134に対して09092なので若干時期の差はありますが、使用されている基盤のリビジョンは同じものがシルクで書かれています。
スワップしてみるもうまくいかず
そして基盤交換してみると…スピンアップの時にコッコッコッコという明らかに変な音がします。そしてコンソールにはSoftreset failedと出てそれ以上何も出来ませんでした。予測はしていましたがやはり基盤交換しただけでは動かなさそうです。
結論から言えばこのHDDのデータはこれ以上サルベージ出来なかったのですが、たまたまRAIDを組んでいて同じHDDが2個手元にあったので、同時期同ファームの物を見つけたらいけるのか?という疑問を試してみました。
同時期のHDDでもスワップ不可能
使用するのはこのHDD。シールを見る限りでは同じ物のように見えます。
そしてHDDの基盤をスワップしてみると…やはりスピンアップの時に変な音がします。しかし、スワップした基盤を元のHDDに戻すとしっかり動きます。つまり、 SeagateのBarracuda7200.11に関して言えばHDDと基盤は対になっているので、そもそも基盤を交換したところで意味がないという結論が出ました。
Barracudaの7200.10では成功している人がいるようなのですが、おそらく7200.11以降のHDDは無理なのではないかと思います。WD や日立のHDDは分かりませんが、おそらく最近のHDDは総じて基盤交換は無理なのではないか、というのが予測です。暇があったら手持ちのHDDで似たような型同士で臓器移植してみて結果をまとめてみようかなあと思います。
ちなみに
よく「壊れないおすすめのHDDメーカー教えて」と言われるのですが、その度に「壊れないHDDはないので壊れる前にバッチバックアップなりRAIDなりの冗長化をしろ」と言っていますが、おそらくこのブログを見てる人に関して言えば釈迦に説法ですね。自宅SANの人とかおうちネットアップの人とか。まあ、対策をしていない人はこうなる前に対策をしましょう。
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